購入いただけなかった本をめぐる記憶2

『HOW TO 大冒険』(吉村作治,21世紀ブックス/主婦と生活社,1974)。手持ちのものは1975年16版(刷とはなっていません)。

サブタイトルに「脱出プランから秘境走破術まで」とあるように,時は万博を過ぎている時期とはいえ,まだ海外旅行は遥か彼方の出来事でした。1990年代にバックパッカーの文庫本が講談社から雨後の竹の子のように刊行されましたが,直系の祖先のような本です(元祖は北杜夫の『どくとるマンボウ航海記』や小田実の『何でもみてやろう』ということになるのでしょう)。

小口の汚れ具合を眺めながら,中学時代まで繰り返し読んだことを思い出しました。

当時,宇都宮に住んでいた私は,美術館で開催された吉村作治の講演会に1977年あたりに出かけた記憶があります。

面白い本なんですが,売れませんでした。

購入いただけなかった本をめぐる記憶1

『旅のべんり手帳 一人で旅に出よう』(講談社編,1975)は,読んでほしい本として携えた一冊です。

この本には,最後のページに見開きで,15Qくらいの大きさの活字で以下のような内容が記されています。

お願い

この子は,一人で旅をしています。
こまったときには,このページを見せるようにとおしえましたので,いま,この子はあなたに,このページを見せているのです。
たいへんご迷惑でしょうがこまっているこの子を助けてあげてください。
①どこへ行くのかをきいてあげてください。
②どうすればそこへ行けるかをおしえてあげてください。できるだけくわしく,文字や地図もかいてあげてください。
③なにをしてほしいのかをきいてあげてください。そして,適切な処置をとってあげてください。(中略)

なににもまして,この子を元気づけてあげてください。いま,こまってしまって,小さな胸のうちは不安でいっぱいです。生まれてはじめて,自分の足で広い世界にふみ出したのです。おびえと不安で,その足もくずれおれそうです。
もう一度,胸をいっぱいにふくらませて出発したときの,あの勇気をふるいおこすように,あなたの力をかしてあげてください。
この子が若者へそだったときに,あなたのことが胸に明るい灯となって残るように,この子に勇気と希望のあかりをともしてあげてください。

そういう本です。次回,参加するときにまた携えていこうと思います。

購入いただいた本をめぐる記憶1 文庫本編

購入いただいた本にまつわる記憶です。今回は文庫本編。

『就職しないで生きるには』でおなじみのレイモンド・マンゴーの『河の旅,森の生活』(角川文庫)は100円で。アマゾンでは4,500円とか10,000円とか値がついていますが,読むのに,これはおかしい値付け。読むならば100円で手に入ったほうがいいだろうなと,文庫一括100円で販売したなかの一冊です。

いつの間にかたまっていた福武文庫の翻訳ものではミルハウザーの『バーナム博物館』,ロルカ『ニューヨークの詩人』,バラード『第三次世界大戦秘史』,ケストナー『ケストナーの終戦日記』フォイエルバッハ『カスパー・ハウザー』なども100円で。

バトラー『魔法入門』(角川文庫)は,意外と早くお買い求めいただけました。たぶん30年くらい前,宇都宮の古本屋で購入したものだったと思います。

夢野久作『骸骨の黒穂』(角川文庫)は,テーマ・サンカの1冊。「マージナル」,八切止夫の単行本は購入されませんでした。

シムノン『13の秘密』は,とにかく書棚に数だけは多いシムノンの文庫本から引き抜いてきたもの。

購入されなかった本が家に戻ってきたのですが,確認はせずに記憶のままに。

 

初出店

天気にめぐまれ,BQQK OP初出店を迎えました。

おかげさまで,平凡パンチは完売,マッチ箱がかなり好評で,その他,文庫本中心にお買い上げいただきました。ありがとうございます。

とても楽しかったので,次回も参加したいと思います。まずは,感想の第一弾です。

発送

日曜日に実家へ行って,荷造り完了しました。吉村作治の『HOW TO 大冒険』,『ひとりで旅に出よう』,ひさうちみちおの本数冊など,加えました。ただ,『戒厳令の夜』『風の王国』は今回は出品なしです。すみません。