『旅のべんり手帳 一人で旅に出よう』(講談社編,1975)は,読んでほしい本として携えた一冊です。
この本には,最後のページに見開きで,15Qくらいの大きさの活字で以下のような内容が記されています。
お願い
この子は,一人で旅をしています。
こまったときには,このページを見せるようにとおしえましたので,いま,この子はあなたに,このページを見せているのです。
たいへんご迷惑でしょうがこまっているこの子を助けてあげてください。
①どこへ行くのかをきいてあげてください。
②どうすればそこへ行けるかをおしえてあげてください。できるだけくわしく,文字や地図もかいてあげてください。
③なにをしてほしいのかをきいてあげてください。そして,適切な処置をとってあげてください。(中略)なににもまして,この子を元気づけてあげてください。いま,こまってしまって,小さな胸のうちは不安でいっぱいです。生まれてはじめて,自分の足で広い世界にふみ出したのです。おびえと不安で,その足もくずれおれそうです。
もう一度,胸をいっぱいにふくらませて出発したときの,あの勇気をふるいおこすように,あなたの力をかしてあげてください。
この子が若者へそだったときに,あなたのことが胸に明るい灯となって残るように,この子に勇気と希望のあかりをともしてあげてください。
そういう本です。次回,参加するときにまた携えていこうと思います。
先日コメントしました。quabuchiです。
世間への信頼とこの本を携えた子への後ろ盾になろうという
意志が伝わる文章ですね。
自然と心が動かされました。
quabuchiさん,コメントありがとうございます。「世間への信頼」という表現,本当にそうですね。さまざま思いをめぐらせました。次回,古本市に参加するときも携えていこうと思います。手にとられるかどうかはさておき。